IGLは「一番強い人」がやる役割ではない
APEXで3人チームを組んでいると、「誰がIGLをやる?」という話になることがある。
IGLとは、In Game Leaderの略。
チームの移動先や戦闘するタイミング、ポジション取りなどを判断し、味方にコールを出す役割だ。
ただし、IGLは単純に「味方へ指示を出す人」ではない。
自分たちの位置、敵の位置、安置、残り時間、物資、戦闘状況。
さまざまな情報を整理しながら、
「今、このチームが一番勝ちやすくなる選択は何か?」
を考える役割だ。
そのため、IGLに必要なのは必ずしも圧倒的な射撃技術ではない。
むしろ重要なのは、状況を整理して判断する力。
エイムに自信がなくても、この力さえ磨けばチームを勝たせられる。
今回は、APEXでIGLをするなら意識したい7つのポイントを紹介する。
① 安置・リングを読む
IGLが最初に考えたいのが、次の安置だ。
「次の安置がどこなのか」だけではなく、
- どこへ移動するのか
- いつ移動するのか
- どのルートを使うのか
- どのポジションを確保するのか
まで考える必要がある。
中でも特に重要なのが移動するタイミングだ。
早く動けば安全にポジションを取れる可能性がある一方、動きすぎると物資が足りなくなったり、敵に先にポジションを取られたりする。
逆に遅すぎれば、移動中に複数の部隊と接敵する危険が増える。
つまりIGLは、
「どこへ行くか」だけではなく「いつ行くか」まで決める必要がある。
② 周囲の部隊を把握する
自分たちだけを見ているIGLは危険だ。
APEXでは、画面に映っている敵だけが敵ではない。
例えば目の前に1部隊いたとしても、
「その後ろには?」
「横には?」
「この戦闘を始めたら誰が漁夫に来る?」
と考える必要がある。
そこで重要になるのが、敵の位置を完全に把握することではなく、「敵がいそうな場所」を予測することだ。
もちろん、すべての部隊の位置を知ることはできない。
だからこそ、
- さっき通った場所
- 音が聞こえた方向
- 戦闘音
- キルログ
- 味方が確認した敵
- すでに通過したルート
といった情報から、周囲の状況を組み立てていく。
IGLは常に、
「今見えていない敵はどこにいる?」
と考えておきたい。
③ 味方3人の位置を把握する
IGLだからといって、敵ばかり見ていてはいけない。
むしろ重要なのが、味方がどこにいるのかだ。
例えば、
- 自分と味方1人は建物内
- もう1人がかなり後ろ
- もう1人が前に出ている
という状況で戦闘を始めれば、人数差が発生する可能性が高い。
だからコールを出す前に、
「今、3人は戦える位置にいるか?」
を確認する。
味方が遅れているなら待つ。前に出すぎているなら下げる。全員が揃っているなら攻める。
判断はシンプルだが、これを毎回徹底できるかどうかでチームの勝率は大きく変わる。
IGLはチーム全体を動かす役割だからこそ、自分だけの視点で判断しないことが重要だ。
④ 自分がいるべきポジションを考える
ここはIGLをする上で意外と見落とされがちなポイントだ。
「IGLだから後ろにいる」
「IGLだから先頭を走る」
という決まりはない。状況によって、自分がいるべき場所は変わる。
例えば移動中なら、味方の位置を確認しながら全体を把握できる場所にいる。戦闘が始まれば、味方と一緒にダメージを出せる位置にいる。高所を取ったなら、全体を見渡しながら次の展開を考える。
重要なのは、
「自分が一番キルを取りやすい場所」ではなく、「チーム全体を動かしやすい場所」にいること。
ただし、IGLだからといって安全な場所に引きこもるのも違う。
味方が戦っているのに自分だけ遠くにいれば、コールを出せても人数差を埋められない。逆に自分が先頭に出すぎれば、敵を見つけた瞬間に自分だけ戦闘へ入ってしまう。
IGL自身もチームの一員。
「自分は今、どこにいるべきか?」
を常に考えたい。
⑤ 戦う・戦わないを判断する
APEXでは「敵を見つけたら撃つ」が正解とは限らない。
むしろIGLにとって重要なのは、
「この戦闘をする価値があるのか?」
という判断だ。
例えば敵を1人割ったとしても、
- 安置から外れている
- 周囲に別部隊がいる
- 味方の位置が悪い
- 物資が少ない
- 戦闘後の移動が難しい
という状況なら、無理に攻める必要はない。
反対に、
- 敵が孤立している
- 味方3人が揃っている
- 周囲に敵がいない
- 戦闘後に強いポジションを取れる
のであれば、積極的に戦う価値がある。
つまり、
「撃ち合いに勝てるか」ではなく、「戦闘した後に自分たちがどうなるか」まで考える。
これがIGLの戦闘判断だ。
⑥ 時間とリソースを管理する
IGLは「時間」も管理しなければならない。
例えば、「あと30秒で安置が閉じる」という状況で、敵と長時間撃ち合っていたらどうなるだろう。
仮にその戦闘に勝ったとしても、移動が間に合わなくなる可能性がある。
また、
- 弾薬
- 回復
- シールド
- アルティメット
- バッテリー
- グレネード
なども判断材料になる。
「勝てそうだから戦う」ではなく、
「今の時間と物資を使って、この戦闘をする価値があるか?」
まで考える。
APEXでは、目の前の1キルよりも、その後の順位のほうが重要になる場面も多い。
⑦ コールする。そして、状況が変わったら修正する
IGLにとって最も分かりやすい仕事が「コール」だ。
ただし、コールは多ければいいわけではない。
例えば、
「右行って!」
だけでは、味方によって解釈が変わる。
それよりも、
「右の建物取る。10秒で移動」
のように、
- 誰が
- どこへ
- いつ
- 何をするのか
を簡潔に伝えたほうが動きやすい。
そして、もう一つ重要なのがコールを修正することだ。
最初は「この建物を取ろう」と考えていたとしても、途中で敵が3部隊いることが分かるかもしれない。
そのときに、
「いや、最初に決めたから行く」
ではなく、
「状況が変わったから、判断も変える」
ことが大切だ。
IGLに必要なのは、最初からすべて正解する能力ではない。
間違いに気づいたとき、すぐに修正できる能力だ。
もっとも良くないIGLとは?
では逆に、APEXで一番良くないIGLとは何だろう。
「判断を間違えるIGL」ではない。誰でも判断を間違えることはある。
もっとも危険なのは、
自分の判断に固執して、状況が変わっても修正できないIGLだ。
例えば、「ここを取る」と決めたとする。
しかし移動中に敵が想定以上に多いことが分かった。味方から、
「ここは厳しくない?」
という声も出ている。
それでも、
「大丈夫、行ける!」
と突っ込んでしまう。結果、チーム全員が不利な戦闘に巻き込まれる。
これは最初の判断が間違っていたこと以上に、途中で判断を修正できなかったことが問題になる。
ほかにも、
- 味方の位置を確認せずにコールする
- 自分だけ先に行く
- 戦闘中に長く話しすぎる
- すべてを自分一人で決めようとする
- 味方の意見を聞かない
- コールを頻繁に変更する
- 味方のミスを責める
- 結果だけを見て自分の判断を正当化する
といった行動は、チームの判断力を落としてしまう。
IGLは「自分が正しいことを証明する役割」ではない。
チームを勝たせるために、最も良い選択を探す役割だ。
良いIGLは「正解」より「修正力」を持っている
APEXに絶対的な正解はない。
安置が読めても、敵が想定外の場所から来ることがある。強いポジションを取っても、別部隊に挟まれることがある。有利な戦闘を仕掛けても、撃ち合いに負けることがある。
だからこそ、IGLに必要なのは、
「最初から全部正しく判断すること」ではない。
情報を集める。判断する。コールする。状況を見る。必要なら修正する。
この繰り返しだ。
そして、IGLが意識するべき7つを改めてまとめると、
- 安置・リングを読む
- 周囲の部隊を把握する
- 味方3人の位置を把握する
- 自分がいるべきポジションを考える
- 戦う・戦わないを判断する
- 時間とリソースを管理する
- コールして、状況に応じて修正する
となる。
IGLとは、チームの中で一番偉い人ではない。
3人の力を一つにまとめて、勝つための選択肢を作る人。
それがAPEXにおけるIGLだ。

IGLって聞くと「めちゃくちゃ上手い人が全部指示する役割」みたいに感じるけど、実際はもっと地味な仕事が多いんだ。
敵がどこにいるか、味方がどこにいるか、安置がどこか、あと何秒あるか。
こういう情報をずっと頭の中で整理しながら、「じゃあ次はどうする?」を考えている。
だからIGLをやってみたいなら、最初から完璧なコールを出そうとしなくていい。
まずは**「今、味方3人はどこにいる?」「次の安置は?」「周囲に敵はいそう?」**の3つを見るところから始めてみるといい。
IGLは、ゲームを上手くなるための視点としてもかなり面白い。
同じ試合でも、IGLの目線で見るとAPEXが少し違って見えてくる。
Iv(イブ)|Esports4
eスポーツを追いかける個人メディア「Esports4」を運営。APEXを中心に、VALORANT、スト6、Shadowverseなど国内外の競技シーンを取材・発信。初心者やライト層にも「何が起きているのか」が伝わる記事を目指しています。







コメント