日本のプロゲーマーの収入っていくらなの?

others

平均は400万〜500万円、しかし格差は「ピラミッド型」

「プロゲーマー」と聞くと、大会で巨額の賞金を手にする華やかなイメージを持つ人も多いだろう。しかし実際の収入構造は、想像以上に幅が広い。

複数の業界メディアの取材や公開データを総合すると、日本で専業として活動するプロゲーマーの平均年収は、おおむね400万〜500万円程度とされる。これは会社員の平均年収と大きくは変わらない水準だ。ただし、この「平均」という数字には注意が必要で、実態は一部のトップ選手と、それ以外の選手との間に極端な差がある「ピラミッド型」の収入構造になっているという。

年収が100万円に満たない選手がいる一方で、トップ層になると年収1億円を超えるケースも存在するとされ、プロサッカーやプロ野球など他の競技スポーツと似た構図が指摘されている。

収入源は「賞金」だけではない

プロゲーマーの収入は、単一の給料ではなく複数の収入源の合計として理解する必要がある。主な柱となるのは次のようなものだ。

  • 大会賞金:eスポーツ大会での獲得賞金
  • チーム所属契約・給与:プロチームと契約を結んだ選手が受け取る固定給
  • スポンサー契約:ゲーム関連企業や一般企業とのスポンサー契約料
  • 配信・動画収益:YouTubeやTwitchなどでの配信・動画からの広告収入や投げ銭
  • イベント出演料:ゲーム実演やトークイベントなどの出演料

賞金だけに頼ると収入は不安定になりがちで、近年は配信やSNSでの発信力を収入の柱に組み込む選手が増えているという。

日本人プロゲーマー 大会賞金ランキングTOP10

大会での累計獲得賞金額を基準にすると、日本人選手の顔ぶれは次のようになる(Esports Earningsのデータをもとに集計、1ドル=150円換算)。

順位選手名累計獲得賞金(概算)
1かきP約1億8,400万円
2ふぇぐ約1億5,000万円
3ときど約8,300万円
4Kakeru約6,200万円
5ネギま約6,100万円
6glory約6,000万円
7popesi約5,600万円
8Duelo約5,300万円
9むぎ約5,200万円
10ガチくん約5,200万円

1位の「かきP」選手はオンラインカードゲーム「Shadowverse」のプレイヤーで、世界大会での優勝経験を持つ。2位の「ふぇぐ」選手も同じくShadowverseの世界大会優勝者で、1位との差は約3,000万円にとどまるが、3位以下とはおよそ1億円規模の差が開いている。

3位の「ときど」選手は格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズで長年活躍するベテランで、東京大学大学院を中退してプロの道に進んだ経歴でも知られる。国内プロチーム「REJECT」に所属するほか、個人でも大手企業とスポンサー契約を結んでいるという。

上位2名がカードゲーム、それ以降は格闘ゲームの選手が多くを占めており、日本国内でプロゲーマーとして高額の賞金を狙いやすいタイトルの傾向がうかがえる。

世界と比べると「桁違い」の差

日本のプロゲーマーの年収は、世界のトップ選手と比べるとまだ大きな開きがある。「Esports Earnings」の集計によれば、世界で最も賞金を稼いだプロゲーマーの一人であるデンマーク出身の選手は、大会賞金の累計獲得額が約10億円規模に達しているとされる。

この差の背景には、eスポーツのタイトルによって賞金総額が大きく異なるという事情がある。世界的に賞金総額が大きいのは、複数プレイヤーがチームを組んで戦う対戦ゲームのタイトルで、上位入賞者には巨額の賞金が用意される傾向がある。一方、日本国内で人気の高い格闘ゲームなどは、市場規模や大会の賞金総額が海外の人気タイトルに比べて小さいことが、日本人選手の年収が伸びにくい一因とされている。

世界の賞金ランキング上位は、いずれも「Dota 2」の選手で占められている。

順位選手名累計獲得賞金(概算)国籍
1N0tail約10億8,000万円デンマーク
2JerAx約9億8,000万円フィンランド
3ana約9億1,000万円オーストラリア
4Ceb約8億9,000万円フランス
5Topson約8億6,000万円フィンランド

Dota 2が突出して賞金総額が大きいのは、大会「The International」がユーザーの課金の一部を賞金原資に充てるクラウドファンディング方式を採用しているためだ。日本人トップ選手の賞金額と比較すると、世界トップ層の獲得賞金はおよそ5〜6倍の規模に達している。

「賞金一本」から「多角化」の時代へ

eスポーツ市場自体は拡大が続いており、世界全体では年間1万件を超える大会が開催され、賞金総額も増加傾向にあるという。ただし、選手個人としての競技寿命は短く、賞金や大会成績だけに依存したキャリア設計にはリスクも伴う。

そのため、これからプロを目指す選手にとっては、競技スキルだけでなく、配信・SNS発信・引退後のセカンド キャリアまで見据えた「収入の多角化」が重要な視点になってきていると、業界メディアは指摘している。


本記事は複数の公開情報・業界メディアの報道を基に構成しています。個々の選手の年収は所属チームや契約内容、活動状況により大きく異なります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました