Spiciesとは?東大卒プロゲーマーが”雪辱”の舞台で再び輝く理由 【何者。 #002】

何者。

【Shadowverse】Spiciesとは何者? 東大卒プロゲーマーが”雪辱”の舞台で再び輝く理由

Shadowverseの競技シーンを長く見てきた人なら、「Spicies(スパイシーズ)」という名前を一度は耳にしたことがあるでしょう。
RAGEでの活躍、DetonatioN FocusMe(DFM)のエース、そして現在はMURASH GAMINGの中心選手として第一線を走り続けています。
一方で、「東大卒プロゲーマー」という異色の経歴ばかりが注目されがちです。
しかし、Spicies選手の本当の魅力はそこではありません。
2025年、自身が公開した「シャドバプロ6年間を振り返って」という長文noteには、勝ち続けた理由だけではなく、勝てなかった時期や、自分自身の弱さまで包み隠さず綴られていました。
この記事では、その6年間の軌跡をたどりながら、Spiciesというプレイヤーの本質に迫ります。


プロフィール

項目内容
プレイヤー名Spicies(スパイシーズ)
所属MURASH GAMING(元DetonatioN FocusMe)
出身灘中学校・灘高校卒業、東京大学卒業
競技タイトルShadowverse / Shadowverse: Worlds Beyond
主な実績RAGE 2018 Summer 3位、RAGE Pro League優勝、RAGE 2024 Summerファイナリストなど

灘中学校・高校から東京大学へ進学し、大学生活とプロ活動を両立。1年間の休学を挟みながらも5年間で卒業した異色の経歴を持つプレイヤーです。


「東大卒」よりも印象に残ったこと

記事を書くにあたり、最も驚いたのは学歴ではありませんでした。
それは、

「自分の弱さをここまで正直に語れる選手なのか」

ということです。
6年間を振り返るnoteでは、

  • 当時の自分は何が足りなかったのか
  • なぜ勝てなくなったのか
  • どう考え方を変えたのか

まで細かく自己分析しています。
華々しい実績を並べるのではなく、「反省」を軸に6年間を語っているプロ選手は非常に珍しいと感じました。


「昔は自分が一番強いと思っていた」

プロ入り当初のSpicies選手は、自分自身をトップレベルのプレイヤーだと思っていたそうです。
しかし現在の視点では、

「細かいところはいくらでも落とせてそう」

「気の赴くままにシャドバで遊んでいた」

と当時を振り返っています。
過去の自分を美化せず、「あの頃はまだ足りなかった」と認められるところに、現在の強さの理由が見えてきます。


シャドウバースの進化に取り残された

Spicies選手は、自身が勝てなくなった理由を一言でこう表現しています。

「シャドウバースの複雑化に取り残されていた。」

カードゲームとしてのShadowverseは、

  • ドロー枚数が増え
  • コンボが複雑になり
  • 情報処理量が大幅に増加

していきました。
その変化に、自分は対応できていなかった。
トッププレイヤーでありながら、ここまで率直に認めています。


「弱い自分」を受け入れた日

記事の中で最も印象に残った一文があります。

「流石にここまで来ると、自分がそこまで上手くないことを認めざるを得ませんでした。」

競技者にとって、自分の限界を認めることは簡単ではありません。
しかしSpicies選手はそこから逃げませんでした。
大学院進学ではなく競技一本の道を選び、

「もう一度、一から強くなる」

ことを決意します。


努力の”量”ではなく”質”を変えた

競技一本になったことで変わったのは、練習時間だけではありません。
本人は、

  • 十分な睡眠
  • 疲れたら休む
  • 練習の質を高める

ことが勝率向上につながったと振り返っています。
「たくさん遊ぶ」のではなく、

“最高の状態で考える時間を増やす”

という考え方が、Spicies選手らしいところです。


「俺が一番上手い」と思えるまで練習した

北海道で行われた最強チーム決定戦予選。

Spicies選手は、

  • 自分の苦手分野を分析し
  • 指摘を素直に受け入れ
  • コンディションまで徹底管理し
  • 学校や仕事と両立できないほど練習した

と振り返っています。
そして最後にこう書いています。

「当日の会場では俺が一番上手い、という自信を持つに至れました。」

この言葉には、才能ではなく積み重ねによって得た自信が詰まっています。


プレイスタイルは「論理」

Spicies選手は昔から、

機械のように正確なプレイ

と評されてきました。
相手の数ターン先まで考え、最も勝率の高い選択を積み重ねる。
そのロジカルな思考は、灘中学校・高校、東京大学という経歴とも重なります。
しかし、本人の文章を読むと、それ以上に印象的なのは、

「考え続けることをやめない姿勢」

でした。


人柄が分かる一面

競技では冷静そのものですが、プライベートではラーメン好きとして知られ、
ネット小説やアニメも楽しむなど親しみやすい一面があります。
また、過去のインタビューでは

「試合を通してShadowverseの奥深さを伝えたい」

と語っており、勝つことだけではなく”魅せること”も大切にしてきました。


発信者としての信念

現在はYouTubeなどでの発信にも力を入れています。
しかし、その根底には一つの信念があります。

「発信者である前に競技に誠実であることを第一にします。」

「競技に関して少なくとも嘘はつかない。」

再生数や話題性よりも、競技への誠実さを優先する。
それがSpicies選手らしさなのかもしれません。


「雪辱を晴らす舞台」──もこうがSpiciesを指名した理由

2026年、Shadowverse Premier Seriesのドラフト会議。
MURASH GAMINGのオーナー・もこうさんは、Spicies選手を指名した理由について、こう語っています。

「彼に関しては、前回のプロ……競技シーンで、中々その、成績振るわなかったということで、やっぱりその彼には、そこの、なんというかね、雪辱をやっぱ晴らす舞台が必要かなと思いまして。まぁ、ここまで残るのは想定外だったんですけども、だったらということでちょっと指名させていただきました。」

このコメントには、単なる戦力補強ではない、もこうさんの思いが込められていました。
Spicies選手はDFM時代、プロリーグ優勝など数々の実績を残しながらも、プロツアー後期には思うような結果を残せず、自身も「自分はそこまで上手くないことを認めざるを得ませんでした」と振り返っています。
だからこそ、もこうさんは「まだ終わっていない選手」として彼を評価したのでしょう。


期待されたのは”過去の実績”ではなく”もう一度戦う姿”

MURASH GAMINGが獲得したのは、東大卒という肩書きでも、過去の優勝経験だけでもありません。
自分の弱さを認め、それでも競技を続け、もう一度世界を目指そうとするSpicies選手の姿勢そのものだったのではないでしょうか。
6年間を振り返ったnoteの最後でSpicies選手は、

「発信者である前に競技に誠実であることを第一にします。」

と書いています。
そしてMURASH GAMINGで新たなスタートを切り、Premier Seriesでは再びチームの中心選手として戦っています。
もこうさんの言う「雪辱を晴らす舞台」は、まさに今、始まっているのです。


まとめ|Spiciesが愛される理由

Spicies選手を「東大卒プロゲーマー」と紹介するのは簡単です。

しかし、それだけでは彼の魅力は伝わりません。

本当にすごいのは、

  • 自分の弱さを認められること
  • 環境の変化に向き合い続けたこと
  • 努力の方法を変え、再び結果を出したこと
  • 競技にも発信にも誠実であり続けること

でしょう。

6年間の振り返りを読んで感じたのは、「天才だから勝った」のではなく、「考え続け、改善し続けたから勝ち続けられた」ということです。
Shadowverseというゲームを知るうえでも、競技シーンを知るうえでも、Spicies選手は間違いなく”知っておきたいプレイヤー”の一人と言えるでしょう。

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